就労女性健康研究会 代表世話人 野原理子

2013年5月15日、第86回日本産業衛生学会の自由集会として、ひめぎんホール(愛媛県県民文化会館)第7会場にて第15回女性健康研究会が開催された。15回目となった今回の研究会のテーマは、初心に戻り「母性健康管理」とした。まず、母性健康管理に必要な産婦人科的知識と題して愛媛労災病院の宮内文久先生からご講演いただいた。宮内先生からは妊娠出産時の母性保護のみでなく、女性のホルモン変動全般について、ご自身の研究内容もご紹介いただいた。詳細な調査とその分析に、参加者も熱心に聞き入っていた。

女性のホルモン動態などの基礎知識をお話しいただいた後に、長井聡里先生から介護施設や小売業における母性健康管理の現状と好事例についてご講演いただいた。長井先生が委員を務めていらっしゃる「母性保護に係る専門家会合」の報告書を基にお話しいただき、資料として「働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために-介護施設で働くみなさまへ-」「働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために-小売業で働くみなさまへ-」としたパンフレットを配布していただいた。

実際に現場で就労女性の母性保護を担っている参加者に対して、具体的で実践的な内容をお話しいただき、会場からも活発な質問や意見が出された。
現在でも第1子出産を機に6割の就労女性が退職していることを考えると、今後ますます職場での母性保護推進の重要性が示された。
なお、その他の研究会活動としては、世話人会メーリングリスト等で25年度事業・会計報告を行った。また第14回就労女性健康研究会後に世話人会を開催し、次年度以降の研究会活動について検討した。また事業報告や研究会での情報をwebサイト上に公開した。