第2回研究会は「女性労働者の母性健康管理」と題し,福岡女性少年室長の深江満子先生から講演頂いた.組織や女性労働者の現状,法改正の説明があり,改正法が女性を優遇するものでない事,男性の女性の職場進出による賃金格差の是正,法により実行性が高まった事,新しい事項への対応が盛り込まれている事等を強調した.さらに,女性少年室での実際の事例について,母健カードに対する質問が殆どない事,現状は厳しい事が報告された.続いて,大阪労災病院勤労女性メディカルセンター医長の田所千加枝先生が,実際に母健カードを利用しての問題点としてカードの料金や,事業所からさらに診断書も要求される事,措置の期間が記入しづらい等を指摘し,均等室で現状を把握出来ていない,産婦人科医の認識が低い点等も挙げた.講演後,女性の多い企業の健康管理室の方等から質問や意見が出され,現場での実際の状況が明確となった.また,学会の特別報告では,北海道大学教授岸玲子先生より「日本の女性労働と健康の問題」を講演頂いた.さらに,関東地方会第221回例会の「働く女性の仕事と健康」と題したシンポジウムで,研究会世話人の野原理子がシンポジストとして参加した.